クラシックを聴かれながら 書斎にて
若旦那様が くつろいで いらっしゃります。
類稀なる 秀才と 呼ばれながら大学院を離れ
御家業を継がれました。
大旦那様 が 築かれた商いを 立派に 受け継いでおられます
うわついたお話もなく 大奥様 の見たらした縁談にも
断る事なしに そつなく 応対されてあられます。

無口で生真面目な性格
実直な態度 女性ファーストな立ち振る舞い
どこに御出されても 恥ず事ない 立派な おのこに なられました
心配なのは 真面目すぎること 少しは浮ついていただく位あってもよろしいかと
後継を待望なされる大旦那様 大奥様 がた に お気を使ってらっしゃる
良い女性と出会いなさることを 婆やは 気を揉んで いますのです
音楽が好きな 若旦那様 趣味の合う 女性が見つかると良いのですが
今日も夕時から 書斎で クラシックに身をいそしんでおられます。
幼い頃から お父上の書斎が好きで 譲りなさると 聞かれた時の 若旦那様の笑顔は
婆や あの世まで忘れませぬ 限りです。
今日も お部屋近くを 歩きますと いつものクラシックが 心地よく流れております
書斎にて